Kimi K3.1 Pro API連携・Agent活用ガイド
Kimi K3.1 ProはMoonshot AIのK3.1シリーズに属し、コーディング、3D制作、金融リサーチ、長時間にわたるAgentワークフローを想定したモデルです。公式APIで呼び出す際のモデルIDはkimi-k3.1-pro、OpenAI SDKのBase URLはhttps://api.moonshot.cn/v1です。思考モードは常時有効で、推論強度はlow、high、maxから指定でき、既定値はmaxです。公式クイックスタート
本ガイドでは公式APIドキュメントに基づき、接続、推論、画像入力、ツール連携を説明します。ベンダーが公開したベンチマークはベンダー自身の報告であり、貴数智能が実施したテストではありません。
概要
| 項目 | 確認済み情報 |
|---|---|
| 公式モデルID | kimi-k3.1-pro |
| 公式API Base URL | https://api.moonshot.cn/v1 |
| 推論強度 | low、high、max。既定値はmax |
| 思考モード | 常時有効 |
| コンテキスト | 公式ドキュメントでは100万tokenに対応すると説明 |
| 高速版 | kimi-k3.1-pro-highspeed。別モデルです。提供状況と料金は各プラットフォームのモデル一覧で確認してください。 |
| ドキュメント確認日 | 2026-10-24 |
機能とモデル情報は公式Kimi K3.1 Proドキュメントに基づきます。モデルのバージョン、利用資格、料金は変更される場合があります。当プラットフォームの最新の提供状況と料金はモデル料金ページをご確認ください。
今回のアップグレードは何に役立つ?
K3.1 Proが想定するのは、要件を読み取り、成果物を生成し、結果を確認し、フィードバックに沿って修正するような複数段階の作業です。100万tokenのコンテキストには多くの資料を含められますが、長いタスクの成否はツール、実行環境、受け入れ基準にも左右されます。公式紹介はコーディング、3D制作、金融リサーチを取り上げています。以下の事例は第三者の体験談とベンダーのデモであり、当社での実行結果ではありません。
3Dカメラ:パラメーターに応じて構造も変わるか
劉小排氏は「国産モデルがまた一歩前進:Kimi K3.1 Proを実際に試す」の中で、複数のモデルに操作可能なカメラの制作を依頼しました。同氏によると、K3.1 Proは選択可能な部品34点と9枚羽根の絞りを生成し、光学関連の読み取り値35項目が同氏の確認基準を満たしました。2回目にレンズを50mmから85mmへ変更すると、ラベルだけでなく形状も変化したと報告しています。
一方、この事例には課題もありました。エクスポート時の単位が要件どおりではなく、ボディフレームと絞りの間隔にも問題がありました。設計作業では、レンダリング画像だけでなく、寸法、操作性、出力ファイル、追加修正まで確認するほうが実用的です。作者は異なるコーディングツール環境を使っているため、条件をそろえたモデルランキングとはみなせません。
ゲームマップ:ツールを作り、そのツールをAgentに使わせる
同じ作者はブラウザー上で動くTerrariaのマップエディターも作りました。ブロック配置がゲームのルールに従い、出力したマップをゲームに戻して動かせることを求め、次にK3.1 Proへそのエディターでシーンを組み立てさせています。この作業はファイル形式の理解、UI開発、ツール操作を組み合わせており、見せるためのコード片を生成するより実際のワークフローに近いものです。作者はKimiと比較対象のモデルにはそれぞれ視覚面の強みがあると感じましたが、これは個人の所感であり、普遍的な美的評価ではありません。
金融リサーチ:結論だけでなく数式と引用元を確認する
メディア「機器之心(Machine Heart)」のZenan、張倩、Pandaによる紹介資料では、財務モデリング、調査レポート、3Dエンジニアリングの事例が取り上げられています。公式ドキュメントにも、事業前提を調整できる財務モデルや、出典を付した調査レポートが掲載されています。参考になる確認基準は、前提を変えたときに数式が連動するか、主要な数値を元ファイルまでたどれるか、レポートの引用元を一件ずつ開けるかです。ベンダーのデモは、あらゆる金融タスクで正確であることを保証しません。公式の機能・事例紹介
この記事の確認時点で、ベンダーは11月4日までに全ウェイトを公開する計画だと説明しています。これは計画であり、公開済みという発表ではありません。また、公式アプリの3D機能を、APIに3Dモデリングツールが組み込まれているという意味に解釈しないでください。
APIの基本的な呼び出し
公式サンプルはPython 3.9+とOpenAI SDKを使用します。APIキーは環境変数に保存し、ソースコードに書いたり、バージョン管理へコミットしたりしないでください。
python3 -m pip install --upgrade 'openai>=1.0'
export MOONSHOT_API_KEY="your-api-key"
import os
from openai import OpenAI
client = OpenAI(
api_key=os.environ["MOONSHOT_API_KEY"],
base_url="https://api.moonshot.cn/v1",
)
result = client.chat.completions.create(
model="kimi-k3.1-pro",
messages=[{"role": "user", "content": "信頼できるコードレビューの進め方を3つ挙げてください。"}],
reasoning_effort="high",
)
print(result.choices[0].message.content)
Moonshotへ直接接続する場合は、Moonshotが発行したキーと上記の公式Base URLを使います。OpenAI互換のサードパーティサービスを利用する場合は、そのサービスが指定するBase URL、キー、モデルに置き換えてください。Moonshotの認証情報を第三者に渡してはいけません。貴数智能で現在利用できるモデルと課金方法はモデル料金ページをご確認ください。
推論強度の選び方
K3.1 Proは常に思考モードです。reasoning_effortは推論の強さを指定するもので、思考モードのオン・オフを切り替える設定ではありません。公式の選択肢はlow、high、maxで、既定値はmaxです。公式の推論強度に関する説明
- 短い質疑応答や形式が明確な変換タスクでは、まず
lowを試します。 - 複数段階のコード修正、分析、計画では
highから始めます。 - より深い推論が必要な複雑なタスクでは、品質、遅延、実費を
maxと比較します。
これはワークフロー上の提案であり、性能を保証するものではありません。本番環境では、自社のタスクセットで正確さ、遅延、コストを評価してください。
マルチターン会話:assistant message全体を保持する
マルチターン会話やツール応答では、APIが返したassistant message全体を次のリクエストに加えるよう公式ドキュメントは案内しています。contentのテキストだけを残す方法では不十分です。ツール呼び出しなどの構造化フィールドが後続処理で必要になる場合があります。公式のマルチターン会話ガイド
messages = [{"role": "user", "content": "まず移行計画を示し、次にリスクを説明してください。"}]
first = client.chat.completions.create(
model="kimi-k3.1-pro",
messages=messages,
reasoning_effort="high",
)
messages.append(first.choices[0].message)
messages.append({"role": "user", "content": "リスクの部分をチェックリストにしてください。"})
second = client.chat.completions.create(model="kimi-k3.1-pro", messages=messages)
print(second.choices[0].message.content)
リクエストをまたいで会話を保存するアプリでは、プロトコル上必要なメッセージフィールドを保存し、SDKによるメッセージオブジェクトのシリアライズ方法を公式ドキュメントに照らして確認してください。
ツール呼び出しとAgentループ
ツールはアプリケーション側で定義・実行します。モデルがツール呼び出しを生成し、アプリケーションが引数を検証して実際の関数を呼び出し、その結果をモデルへ返します。モデルの出力を信頼できるコマンドとしてそのまま実行しないでください。
import json
tools = [{
"type": "function",
"function": {
"name": "lookup_order",
"description": "注文状況を照会する",
"parameters": {
"type": "object",
"properties": {"order_id": {"type": "string"}},
"required": ["order_id"],
},
},
}]
messages = [{"role": "user", "content": "注文A-104の状況を確認してください"}]
response = client.chat.completions.create(
model="kimi-k3.1-pro", messages=messages, tools=tools
)
assistant = response.choices[0].message
messages.append(assistant) # assistant message全体を保持
for call in assistant.tool_calls or []:
args = json.loads(call.function.arguments)
# 実際のアプリでは、管理された業務関数を呼ぶ前に引数とユーザー権限を検証します。
tool_result = {"order_id": args["order_id"], "status": "processing"}
messages.append({
"role": "tool",
"tool_call_id": call.id,
"content": json.dumps(tool_result),
})
final = client.chat.completions.create(
model="kimi-k3.1-pro", messages=messages, tools=tools
)
print(final.choices[0].message.content)
公式のツール呼び出しガイドでは、各ツールの結果を対応するtool_call_idとともに返し、後続ターンでもassistant message全体を保持するよう求めています。認可、引数検証、タイムアウト、冪等性、監査はアプリケーション側で実装してください。
画像入力:オブジェクトの配列を使う
公式ドキュメントでは、画像を含むメッセージのcontentはシリアライズ文字列ではなくオブジェクトの配列とされています。例ではBase64 Data URLで画像を送ります。サポートされるファイル手順ではms://参照も使用できます。一般公開されている画像URLをそのまま読めるとは限りません。公式の画像入力ガイド
import base64
from pathlib import Path
image_data = base64.b64encode(Path("diagram.png").read_bytes()).decode()
response = client.chat.completions.create(
model="kimi-k3.1-pro",
messages=[{
"role": "user",
"content": [
{"type": "image_url", "image_url": {
"url": f"data:image/png;base64,{image_data}"
}},
{"type": "text", "text": "図に示されたシステム構成要素と接続関係を説明してください。"},
],
}],
)
print(response.choices[0].message.content)
接続前に、対応する画像形式、サイズ上限、ファイルAPIの制約を確認してください。機密画像を外部モデルに送る場合は、組織のデータ取り扱いルールにも従ってください。
公式ベンチマークと第三者の体験談をどう読むか
Moonshotのドキュメントによると、K3.1 ProはTerminal-Bench 4.0で65.7%を記録し、GPT-6 AstraやClaude Opus 5.5との比較も掲載されています。これらはベンダーが公表したベンチマーク値です。タスクセット、テスト設定、公開日を踏まえて解釈し、あらゆるコーディングタスクの成功率として一般化しないでください。公式モデル紹介・ベンチマーク
第三者の劉小排氏は、操作可能な3Dカメラ制作などの体験と、個人的なモデル比較を紹介しています。これは第三者の体験談であり、貴数智能のテストでも、標準化され再現可能な比較評価でもありません。モデルを評価する際は、自社のコードベース、設計上の制約、失敗例を使い、プロンプト、ツール、再試行回数、遅延、費用を記録してください。
接続チェックリスト
- 公式APIへの直接接続か互換サービスかを確認し、対応するモデルID、Base URL、キーを使う。
- 推論強度を低めから始め、代表的なタスクで品質、遅延、請求額を比較する。
- マルチターンやAgentのワークフローではassistant message全体を保持し、ツール結果を正しい呼び出しに紐付ける。
- 画像メッセージはオブジェクト配列で作り、ローカル画像にはサポートされるエンコードまたはファイル手順を使う。
- ツール実行に権限境界、引数検証、タイムアウト、失敗時の処理を設ける。
- デプロイ前に最新のモデル一覧、利用可能地域、料金を確認し、古い設定を使い回さない。
よくある質問
Kimi K3.1 ProのAPIモデルIDは何ですか?
公式ドキュメントに記載されたIDはkimi-k3.1-proです。高速版はkimi-k3.1-pro-highspeedで、別モデルとして設定してください。
推論強度の既定値は何ですか?
公式ドキュメントの選択肢はlow、high、maxで、既定値はmaxです。思考モード自体は常時有効です。
画像URLを直接渡せますか?
いいえ。公式ドキュメントでは公開画像URLはサポートされていません。画像オブジェクト配列とBase64 Data URL、またはファイル手順のms://参照を使用してください。
Agentはなぜassistant message全体を返す必要があるのですか?
ツール呼び出しなどの構造化フィールドが含まれる場合があります。テキストだけを保存すると後続のやり取りに必要な情報が失われます。ツール結果には対応するtool_call_idも付けてください。
貴数智能ではKimi K3.1 Proを利用できますか?
利用可能なモデル、ルーティング、料金は最新のモデル料金ページをご確認ください。公式APIで利用できることは、当プラットフォームでの提供や高速版の対応を意味しません。
関連情報
公式ドキュメント確認日:2026-10-24。モデルの機能、APIパラメーター、利用条件は変更される場合があります。最新情報はMoonshot Kimi APIドキュメントをご確認ください。